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個別採算に固執すると固定費が見えなくなる

――よく新型車の発表で、「部品の○○%を刷新」という表現が出てくるのですが、それも「新しければ新しいほど良い」という価値観が投影されているようで気になりますね。まぁ、クルマの場合は部品共通化率みたいなものをアピールしすぎると、売れなくなってしまうのかもしれませんが。

北山 確かに、マイナーチェンジでフルモデルチェンジ並みにガラッと変えてくることもありますね。あれを見ていると、採算が取れているのかこちらが心配になります。本来なら、個別の車種ではなく、製品群という広い単位で採算を見た方がいいのです。

――でも、個別の車種でもうかっているかどうか見えた方がいいですよね。

北山 個別の車種で採算を判断することは、もちろん重要です。しかし、固定費回収の観点でいえば、製品群で採算を見ることも併せて重要なのです。生産設備などの固定費は、個別の車種だけのために投資することは少ないので、群管理が重要になります。

 ところが、現実はその逆に向かっていて、細かい単位の採算を見ようとしているのです。そうすると、管理がさらに変動費中心になってしまうのです。個別の製品で何とかしようと思ったら、変動費しかありませんから。それで固定費を見なくなるという悪循環になります。

――今、設計をどんどん標準化・共通化しようとしているのに、個別の製品で採算を見るのは矛盾していると。

北山 設計を標準化・共通化するなら、採算も群で見る必要があります。ところが、会計の世界には何となく細かく刻んだ方がいいのではないかという思い込みがあるのです。実際には、細かく刻みすぎて全体が見えにくくなっているのですが…。もう少し“どんぶり勘定”でも構わないので、群で管理するという意識を持つと、固定費も見えてくるはずです。