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 半導体商社のUKCホールディングスと加賀電子は2016年4月、両社で進めてきた経営統合に向けた協議を中止すると発表した。両社は経営統合について2015年11月に基本合意しており、実現すれば年間売上高5000億円超の国内最大の半導体商社が誕生するはずだった。

 最終合意に至らなかった理由は明らかにされていないが、半導体商社業界の再編のきっかけになり得る統合だっただけに残念な結果だ。調達先の半導体メーカーや顧客である機器メーカー各社の衰退や再編を背景に、日本の半導体商社の事業環境は厳しくなりつつある。2015年4月にはマクニカと富士エレクトロニクスが経営統合し、マクニカ・富士エレホールディングスが誕生している。日本の半導体商社はどのようにして生き残りを図るのか。ここでは各社の最新決算を俯瞰しつつ、業界動向を分析しよう。

図1●主な半導体商社の年間売上高(非上場企業は除く。1米ドル=105円で換算。出所:IHS Technology)
図1●主な半導体商社の年間売上高(非上場企業は除く。1米ドル=105円で換算。出所:IHS Technology)
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 2016年3月期決算を反映した半導体商社各社の年間売上高を図1に示した(米Avnet社は2015年6月期の実績値、佐鳥電機は2016年5月期の筆者予想値を採用)。Avnet社と米Arrow Electronics社(以下ではArrow社)の2社は2.5兆円前後の規模で首位争いを続けている。2005年に設立された台湾WPG Holdings(以下、WPG)も1.5兆円を超える規模に成長し、上位2社を猛追中だ。これらメガディストリビューターと呼ばれる半導体商社は、これまでM&Aを繰り返しつつ事業規模を拡大し、現在に至っている。

 中でもAvnet社は日本市場に対しても積極的な姿勢を見せており、2010年にユニダックス、2013年にインターニックスを買収した。全社売上高に占める日本市場の割合は現状では4%にすぎないが、この比率を2倍以上に拡大させる狙いで、日本市場で3000億円の売上高を目指している。

 国内商社で最大規模を誇るマクニカ・富士エレホールディングスの売上高は4053億円。日本市場での売上高に限れば、約2000億円にとどまる。Avnet社が3000億円の売上高を日本市場で達成すれば、同社は日本でも最大規模の半導体商社ということになる。この3000億円には半導体だけでなく電子部品や電子機器の売上高も含まれるが、いずれの需要も伸び悩んでいる日本市場では、Avnet社が売り上げを伸ばせば他の商社はビジネスチャンスを大きく脅かされる。