お目当てはメガソーラーの「環境価値」

 さらに、データセンターを持つ企業のように、施設の屋根では賄い切れない大きな電力需要がある場合、IPPとPPAを交わすのが主流である。

 アラバマ州では、ネットメータリング制度がないため、オンサイト発電は経済的ではなく、さらに、電力小売りが自由化されていないのでIPPとPPAを交わして電力を購入できない。

 そこで、ウォルマート社は地元の電力会社と交渉して、メガソーラーを建設してもらい、そこから環境価値を買う方法を選択したのである。

 ここでのビジネスモデルは、アラバマパワー社が米テキサス州に本社を置くプロジェクトデベロッパーのCentaurus Renewable Energy社に72MWのメガソーラー開発を依頼し、アラバマパワー社が28年間に渡るPPAのもと電力を購入する。

 そして、電力会社はメガソーラーの発電によって生まれた「環境価値」を長期購入契約によってウォルマート社に電力契約とは別に販売するというものだ。ウォルマート社は、その環境価値によって同州にある店舗、倉庫などの電力消費をオフセットする。

 メガソーラーの建設はカリフォルニア州のEPC(設計・調達・施工)サービス事業者のSwinerton Renewable Energy社が担当した。

 太陽光パネルは、中国ジンコソーラー社の太陽光パネルで33万8000枚を設置した。パワーコンディショナー(PCS)は独SMAソーラーテクノロジー社の大容量機を36台、架台は米ネクストラッカー社の1軸追尾式システムを5万7000基、導入した。年間発電量は190GWhを見込み、1万8000軒の家庭の年間電気消費量に匹敵する。