サンパワーは買収で課税回避も

 4月に、米サンパワーが独ソーラーワールドの子会社であるソーラーワールド・アメリカズを買収すると発表した。ソーラーワールド・アメリカズは 西半球で最大規模の結晶シリコン太陽電池セル(発電素子)とパネル生産工場を持っていたので、サンパワーはソーラーワールド・アメリカズの工場を買い取ることによって、米国で唯一の結晶シリコン太陽電池セルの製造会社となる。ちなみに、ソーラーワールド・アメリカズの米国での結晶シリコン太陽電池セルの年産規模は250MWである。

 米太陽光発電市場のリサーチ・コンサルティング会社SPV Market Researchの創始者兼チーフマーケットリサーチアナリストであるポーラ・ミンツ氏によると、もし、ソーラーワールド・アメリカズの買収が成立すれば、サンパワーは米国唯一の結晶シリコン太陽電池の製造会社として、関税に関する問題の「裁決者」になれる、と語った。

 サンパワーは米国メーカーであるが、同社のバックコンタクト(IBC)方式の結晶シリコン太陽電池セル・パネルは国外のフィリピン、メキシコで生産されており、同社の輸入セル・パネルは今回の関税対象となった。

 ソーラーワールド・アメリカズは2012年に中国製太陽電池製品、そして2014年には中国及び台湾製の太陽電池製品に対して反ダンピング関税と反補助金関税適用を米政府に申請し、トランプ関税の発端を作った会社である。

 サンパワーはソーラーワールド・アメリカズを買収することで、2012年と2014年に決定された関税の期間調整や、今回の4年間にわたって課される関税の免除に関しても影響力を持てるかもしれないと、ミンツ氏は言う。つまり、サンパワーはソーラーワールド・アメリカズを買収することで、現在同社の輸入太陽電池に課される関税を回避できるかもしれない、ということである。

 しかし、この買収が成立するためには米国とドイツ両国による規制当局の承認が必要となる。

 結晶シリコン型ではないが、米メーカーのファースト・ソーラーも増設を表明した。CdTe(カドテル)型化合物系太陽光パネルの供給で世界トップである。同社は、今年4月末、4億ドルを投入し、既存のオハイオ工場の隣接地に1.2GW生産規模を持つ工場を新設すると発表した。新工場の生産は2019年後期に開始され、2020年末にはフル稼動の予定だ。現在同社の米国での生産量は600MWなので、増産後の総生産規模は3倍の1.8GWに達する。