2.2GWの電力を緊急輸入
CAISO での日食前5日間平均のデータによると太陽光発電の出力は午前10時から11時に9.1GWまでに上昇するが、8月21日の部分日食当日における同時間帯には太陽光発電電力の出力は月に遮られ3.6GWまで急減した。
さらに、部分日食により屋根置きなどの分散型太陽光発電の出力が下がり、日食ピークの午前10時から11時におけるCAISOでの ネット電力需要量(総電力需要量から分散型太陽光など変動性の高い発電源の供給量を差し引いた量)は通常より1.2GW上昇した。
この需要の上昇と、発電事業用メガソーラーの供給減少に対応するため、CAISOは州内の天然ガスを燃料とした火力発電を稼働させ、西部EIMから電力を輸入した。
実際、日食ピーク時にCAISOは、カリフォルニア州の民間所有電力会社であるロサンゼルス市水道電気局(Los Angeles Department of Water and Power: LADWP)、アリゾナ州の公営農業共同組合運営のソルトリバープロジェクト農業改善と電力地区(Salt River Project: SRP)、太平洋岸北西部に拠点を置く非営利の連邦電力マーケティング管理機関であるボネビルパワー行政 (Bonneville Power Administration: BPA)などから2.2GWの電力を輸入した(図3)。