「原油の輸出解禁」の悪影響を再エネ推進で相殺

 野党・共和党側は、数年前から「原油の輸出解禁」を目指す動きを強めていた。一方で与党・民主党は、解禁により、「フラッキング(水圧破砕法)」と呼ぶ、シェールオイルを採掘する方法が引き起こす環境破壊や地球温暖化を問題視していた。こうした対立の打開を模索するなか、歳出法案に民主党が求める「ITC延長」を盛り込むことで、折り合いがついた。

 つまり、フラッキングまたは石油消費によって増加するであろう二酸化炭素(CO2)の排出量を、ITC延長で導入が拡大される再生可能エネルギーで「カーボンオフセット」するようなイメージである。

 太陽光発電市場は、政府の普及政策や規制で大きく市場が左右される。欧州ではスペイン、イタリア、さらにドイツにおいて、FIT導入により市場が盛り上がったものの、買取価格の低下とともに、市場は落ち込んでいる。同じくFITを取り入れた日本も2015~16年をピークに市場は縮小に向かうと予想されている。

 今回、土壇場での法案可決で救われた米国太陽光発電市場。ITCの延長により、今後5年間、市場拡大が続く可能性が高まった。環境・エネルギー政策を巡る、2大政党の駆け引きとはいえ、結果的に、過去何十年もの間、太陽光発電市場の右肩上がりを維持している先進国は、世界で米国だけであろう。