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 それでも、多くのレポートが専門家グループの分業によって作成されているのは、未来を予測するためには各分野の専門知識が必要になるからである。しかし長い目で見れば、分野を超えた相互作用こそが未来を決める大きな要因になっていく。つまり、分野という領域は、遠い未来になればなるほど不明瞭になっていくのである(図2)。

分野という領域は、遠い未来になればなるほど不明瞭になっていく (出所:「<a href="http://www.nikkeibp.co.jp/lab/mega2016/?n_cid=nbpbpn_sied_mimega160309u" target="_blank">メガトレンド2016 −2025 [全産業編]</a>」)
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分野という領域は、遠い未来になればなるほど不明瞭になっていく (出所:「メガトレンド2016 −2025 [全産業編]」)

 現実としては、未来を予測する場合には分野ごとの最新トレンドを分析することに比重が置かれがちで、その比重が増せば増すほど「当たらない未来予測」になる可能性は大きくなっていく。技術分野に限って見ても、分野内で技術はさらに細分化されている。その細かな分野にはそれぞれに学会が存在し、ときにテクノロジー・ロードマップを描き、新技術が拓く未来像を提示したりもする。

 しかし、それは本当の未来像ではないだろう。各分野の技術は単独で勝手に進化するわけではなく、他分野で発生した技術の影響を強く受け、ときに融合しながら新技術を生み出していくわけだから。

 さらにいえば技術の進化は、それをビジネスに落とし込んだ場合の市場性や収益性と密接な関係にある。要するに、その分野だけ、技術だけを見ていても、未来を予測することはできないということだ。

「分野を超えた影響」で未来は動く

 分野をまたぐ影響ということについて、もう少し詳しく見ていきたい。

 この現象において現時点で極めて重要な役割を担っているのはICT(情報通信技術)であろう。

 例えば自動車分野では、ICTが飛び火したことで目玉技術は駆動関連から自動運転へと移行しつつある。ICTの影響力はそこにとどまらない。自動車単体だけでなく、道路などのインフラ分野でも既存技術と融合しながら新技術を生み出し、都市のスマート化を進めていく。最近では、医療・健康、身体、さらには金融・流通といった領域でも強い影響力を及ぼすようになってきた。