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 実際、すさまじい量の作業と時間をこのレポート作成のために費やした。構想を練り始めたのは2012年のことである。

 まずは筆者と日経BP社のスタッフとの間で、未来像描写の作業に対する思考プロセスや押さえるべき要所、具体論としての未来イメージの共有などについて何カ月もかけて議論を重ねた。実際の情報収集、分析の作業に着手できたのは2013年に入ってからである。

 そこからほぼ1年間の作業を経て『メガトレンド2014−2023』を完成させた。その執筆過程で、新たに気付くことが多くあった。それを盛り込みたいとの思いから、丸1年を費やして『メガトレンド2015−2024』、さらに1年以上をかけて『メガトレンド2016-2025[全産業編]』を執筆した。

 結局、ここまでたどり着くまでに、足掛け5年を要したことになる。

その長い作業を通じて、筆者は一つの「未来予測手法」を編み出せたと信じている。もちろんこれが普遍的かつ最良の手法というわけではないだろう。しかし、現時点において5年先、10年先といった近未来の姿を垣間見る方法としては、かなり有効なものになっているはずだ。

 その手順は、未来予測にかかわる主要な著作物、レポート、論文などの文献類を読み込む作業から始まる。筆者の場合、100以上の文献類を読み込み、そこで語られるユニークな示唆を洗い出して整理し、約1000項目のロングリストへと翻訳した。

 次に、これら項目のグルーピングを繰り返し、独自の視点を盛り込みつつ最終的には9分類50項目のショートリストへと絞り込んだ。この50の項目については、関連するビジネスの広がりについて網羅的に調べ、関連する「課題」とその「打ち手」の関係性をイシューツリー構造にまとめた。

 並行して、注目すべきビジネス上の動きについては、関連する市場データ、国内外におけるユニークな事例などについても情報を集めた(図1)。

筆者による未来予測のプロセス (出所:『<a href="http://www.nikkeibp.co.jp/lab/mega2016/?n_cid=nbpbpn_sied_mimega160309u" target="_blank">メガトレンド2016-2025[全産業編]</a>』
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筆者による未来予測のプロセス (出所:『メガトレンド2016-2025[全産業編]

 こうして抽出した50項目=メガトレンドは、私たちの思惑や願いとは無関係に、世の中全体に加わる圧力である。私たち、そして企業や自治体などあらゆる組織は、メガトレンドがもたらす変化に対し、これから知恵と工夫を凝らして手を打っていく必要に迫られることになるのだ。