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利用料金が1/6以下に?

 無人ではないが、既にスマートフォンを利用したオンデマンドの配車サービスを展開しているのが米Uber社だ。同社はカリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くベンチャー企業であり、2009年の創業からわずか6年で、58カ国300都市以上に進出し、全世界で約16万人のドライバーが登録している。現在の企業価値は、上場前にもかかわらず、400億ドル(約5兆円)に上るとされる。

 Uber社は、現在のビジネスモデルにとどまるつもりはなく、2015年に自動運転研究で有名な米カーネギーメロン大学との共同研究を目的に「Uber Advanced Technology Center」を設置し、自動運転車の開発に本腰を入れ始めた。

 将来的には、ドライバーが不要な自動運転車を同社の配車サービスに活用し、コストを大幅に引き下げるのが狙いだろう。米コロンビア大学の試算によると、わずか9000台の自動運転車でニューヨークのすべてのタクシーを代替することが可能であり、ユーザーの利用料金は0.5米ドル/マイルに下げられるという。Uber社の最も安価なサービス「Uber X」でも、現在1マイル当たりの料金は3.00~3.50米ドルであるため、自動運転車の活用により、サービス価格は1/7~1/6に引き下げられると見込まれているのだ。

 ここまで利用料金が引き下がれば、クルマを所有するよりも単位走行距離当たりのコストは低くなる。先に述べたGoogle社の「広告モデルの無料送迎タクシーサービス」と相まって、消費者がクルマを所有する必要性が大幅に薄れ、多くの消費者が、自動運転タクシーを利用するようになる可能性が高い。車両の販売を主な売り上げとする現在の自動車産業は大きな転換を迫られることになるだろう。

 次回は、自動運転技術の普及によって、どんな業種がどんな影響を受ける可能性があるのかを考察していく。