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薬機法が“すべて”ではない

 以前のコラムにも数項目についての打開策を記したが、いま一度この問題点を再考してみよう。これほど回収が多くなると、かなりの危機感をもって臨まないといけない。医療機器業界だけでなく、日本の医療全体への悪影響を心配せざるを得ないからだ。

 申請者側でどれほど多くの努力を、申請作業、QMS審査のために費やし、やっと認証(承認)を取得できたとしても、それだけで有用かつ一人前の医療機器ができあがるわけではない。薬機法に定めてある条項が、医療機器としての要件を全て満足しているわけではないことを十分に念頭に置く必要がある。

 例えば、リスクマネジメントとなれば、1品種ごとに力の入れどころに違いがあるはず。いくら法に定められた細目事項が網羅されていようと、総花的な審査のOKを取ること自体、最低限のバリア突破に過ぎない。それより大切なのは、各社がそれぞれの製品に関して、特別に設定すべき条項・要件が存在するはずだ。

 企業サイドでは、各製品に特化した肝心かつ必須なリスクマネジメントを実行しない限り、医療機器の回収はさらに増加の一途をたどることになる。薬機法承認だけで、直ちに製品販売可能、あるいは安全に使用可能となる、という非常に安易な考え方は避けるべきなのだ。

 この課題解決は、主として製品開発側にある。こうした危険な考え方を打破し、まともな製品開発・設計と同時に各製品固有の真のQMSを実践すべきだ。そう、企業サイドで、もう一度、自社製品の品質管理、供給体制に関して総ざらいするべき時期に来ている。

 これだけ回収が多いとなると、薬機法をパスした多くの医療機器でさえも、本当に医療の役に立っているのか?との疑念さえ抱く。

 一方で、一つだけPMDAや第三者認証機関にすぐにでも実施してほしい対策がある。というのは、医療機器製造・販売側では不可能なものなので、是非とも早急に実施していただきたいと考えている課題だ。それは、回収情報の分析とその結果を公表してほしいという点である。