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薬機法の“ポータルブック”

 本書は読みものとして通読する価値がある一方で、薬機法の逆引き本としての役割も担う点にもう一つの特色がある。ともすると、すべてを一気に、微に入り細に入り説明されると、一体どこに力点があるのか理解に苦しむことが多い。

 ところが、本書は法や通達の「勘どころのみを簡潔に説明している」だけで、その代わりに、各項目の終わりに対応する条項や通達番号を示すという方法論を採っている。そのため、実際に詳しく知りたい項目があれば、その詳細は指南されている法律などを参照すればよいように工夫されている。

 ネットでいうなら、検索エンジンやポータルサイトに相当し、いわば薬機法の“ポータルブック”といえばよいだろう。また、規格用語を使うとすれば、「薬機法の一般通則」ともいえようか。

 書籍は読者にわかりやすいことが肝要である。その目標を確かなものにするための気配りが垣間見られるのは、もしかしたら出版側との協調の技であろうか。関連する「保険収載」「広告の規制」「業務上の遵守事項」などが含まれていることからも、関係者が座右に置いておく価値がある。

 これまで、本コラム内での書籍の解説は、「書評」という位置づけで書いたものが多かった。だが、今回は単なる「書評」ではなく、言ってみれば「推薦」というほうが適当だと筆者は考えている。それほどに、医療機器の業界関係者すべての人にお勧めしたい一冊だ。