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方針で示された施策のスピード感を

 前述の国際薬事規制調和戦略(RSI)については、1年以上も前の2015年6月26日に厚生労働省が出した基本政策目標だ。その中で医療機器関連の「短期的戦略」の一つとして掲げられていたのが、今回のMDSAP Pilotの試行なのである。

 RSIの中の医療機器関連で短期的戦略として挙げられている項目は5つあり、そのうちの1項目のみの「試行開始」が1年後となれば、有言実行という点では意味があっても、産業側から見たスピード感の欠落にはやや不安感さえ覚える。それゆえに、長期計画としての「国際協調」などが訴えられていても、現実との隔たりを感ずるだけで終わってしまう。

 実情としての実例を提示することになるが、国際協調の最大目的は、輸出入業務の簡素化、迅速化による相互交易の促進にある。それなら、例えばEU諸国で認証されている優良製品があれば、国内認証や基準レベルの調整が優先的に施行できるような体制の確立が望ましい。

 実際のところ、CE認証品といえども、国内基準の観点から多岐にわたる追加試験項目や製造工程(検査)の追加などを求められるケースがある。EU諸国、アジア各国、米国で認められている全く同一の製品でさえ、デバイスラグが生じている例もある。極端な例を示すと、我が国だけ「No」の事例さえある。こうした実務レベルの問題を解決する「国際協調」が現実になることを期待している。その上で、日本発の優良なデバイスが諸外国においても迅速に導入されるようになる成果も期待したい。

 それも、「長期戦略」というものでなく、短期間で、しかも今まさに産業サイドが困っていることへの対応策が優先されることを切に希望する。