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FDAと比較すると…

 実は今回の機器は、スイスの医療機器メーカーであるSENSIMED社が開発したもの。シードは、同機器の日本国内での販売を担うという役割である。

 SENSIMED社は同機器に関して既に2010年に欧州でCEマーク認証を取得済み。医療機器としての取り扱いが可能になっていた。その後、2016年には米国のFDA承認を取得。筆者の追跡調査によれば、FDAは、いわゆる「De Novo」というシステムによる認可のようだ。すなわち、本来なら類似品がないためのクラスⅢ相当であるものの、クラスⅡにレベルダウンして認可を与えたというわけである。

 前回のコラムでは、「Apple Watch Series 4」のECG(心電図)アプリが同じくDe Novoによる認可を取得したことを報じた。FDAはこのシステムにより、新製品の導入を加速しようとする意図があることは明らかだ。

 ところが今回、ようやく日本では、クラスⅢの承認によって、導入へと至ったことになる。CEマークの取得から8年、日本導入にこれほどのデバイスラグがあるのは理解しがたい。さらに、今回のトリガーフィッシュ センサーの承認には一般的名称「角膜曲率変動測定計」が追加されているが、あえて「新規性」を前面に打ち出す審査体制なら、デバイスラグを生み出すことにもなる。

 医療機器は改良に改良を重ねて進化していくものであり、筆者の考えでは「まずは製品を出す」そして「改良に改良を加える」ことで、有益な医療機器が世の中に出ていく。その点では、輸入品とはいえ、国内初となるスマートコンタクトレンズ分野に、新しい市場が開かれたことの意義は非常に大きい。

 日本国内においては行政と民間で立場が違えば意見も異なる。だが、医療機器は数年で飛躍的に改良される。薬機法においても、改良の壁への対策にウエイトを置かない限り、日本発の新たな機器は成長しない。