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例えば、新型センサーを開発した場合、どうする…

 筆者は今回のシンポジウムの第二部で、前述の第一部を理解した上で、「参入を考える」というテーマの教育講演の依頼を受けた。大学発であろうが企業発であろうが筆者が提唱しているのは、まずはクラスの低い医療機器として参入(または製品化)することだ。輝かしい研究成果であれば、場合によっては国が後押しする巨大プロジェクトに発展することもあるが、なかなかそのようにはことが進まない。

 具体例を示しておこう。大学内で超高感度のセンサーが開発され、今までに検出できなかった血液の成分が検出できるようになったとする。このケースでは、まずは既存の医療機器のセンサーに合わせて、通常のクラスでの医療機器として既存品との同等性をうたうというやり方だ。メーカーなどの協力を得て医療機器の認証取得を行い、このレベルでの製品化により、医療機器としての販売も可能となる。

 こうなると、経済的にも楽になるばかりでなく、倫理委員会での治験などの承認も受けやすくなる。この「医療機器」を利用して、新たな効能を追加すべく、臨床試験が行える環境が整うからだ。この段階になれば、PMDAの審査を受けて、新たな効果効能を持ったクラスの高い医療機器が完成できる。しかも、「今まで検出できなかった血液成分が検出できる」と効果効能がうたえるようになる。

 現状を見ると、初めから複数の大きな壁に挑もうという事例が多い。「医工+民(民間企業)」というコンソーシアムを確立し、実用レベルに達したら薬機法のコンサルなどの経験者を交え、まずは人体に使える製品を目指せば、「大学発医療器の製品化の壁」が限りなく低くなる。大学や研究機関での研究成果がスピーディーにかつ実りあるものとなることを願いたい。