PR

「住まい」も提供する多機能病院も登場か

 一方で、2025年をめどとする地域包括ケアシステムの構築という観点では、病院内で医療・介護がトータルに提供される高齢者の住まいを作るという政策は「あり」かもしれません。今後、急増が見込まれる要介護高齢者の住まいを整備し、医療・介護の提供体制を構築するのは国家的課題でもあるからです。地域によっては、1つの病院の中で急性期から慢性期、住まいまでの機能を提供する多機能病院が登場するかもしれません。

 今回の検討会案は病床削減の圧力がますます強まる中、今後の増加が予想される「空きベッド」問題への対処策という側面もあり、「病床削減」と「高齢者の住まい問題」を同時に解決しようという国の「一挙両得」の意向も透けて見えます。実際に検討会では「将来的には療養病床だけでなく一般病床からの転換も認めてはどうか」という意見も出ました。この辺りも今後、議論されることになりそうです。

 ただ、釈然としない感じも残ります。入院患者本人は同じ場所で療養生活を過ごしたとしても、2018年4月1日を境として突如として「入院」から「住まい」になるわけですから。実態は変わらずに、制度上は「病院から在宅へ」が実現してしまうわけです。病床削減などの数値目標の達成だけでなく、患者・入所者本人にとって真に有益な仕組みになってほしいと願わずにはいられません。

 ともあれ、介護療養病床や25対1医療療養の行方には、ひとまず大きな方向性が打ち出されました。具体的な人員配置基準や転換支援策、そして報酬面で経営が成り立つのかなど、今後の検討課題も山積しています。引き続き議論の内容を注視していきたいと思います。