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「日経メディカル」記者の眼、2015年11月11日付の記事より

 最近、週刊誌などで「お薬手帳不要論」なる主張が展開され話題を呼んでいる。しかし、筆者は「お薬手帳は必要」と考えている1人である。患者の基礎疾患が何か、普段服用している薬が何かを医師をはじめ医療者が一目で把握でき、同種同効薬が重複していないか、併用禁忌の薬が含まれていないかなどをすぐに判断できるからだ。実際、東日本大震災の時には、電子データなどが参照できない状況で、お薬手帳が被災者の服用歴の把握に役立ったことが証明されている(日本薬剤師会「東日本大震災時におけるお薬手帳の活用事例」)。

 もちろん、1人の患者に複数のお薬手帳が発行されていたり、患者が医療機関や薬局を訪れた際にお薬手帳を携帯せず、きちんと情報が記載・更新されていなかったりして、服薬情報が一元化されていなければ意味がない。

 とはいえ、お薬手帳は保険証カードのように財布に入らないし、医療機関にかかる際つい自宅に置き忘れてしまうのは分かる。持参率を高めるために日々工夫している薬局や薬剤師の方は多いだろう。

 そんな中、「皆が持ち歩きたくなるようなお薬手帳を作ればいい!」というアイデアを実現したのが、広島・岡山に10店舗を展開する薬局チェーンの葦陽薬品(広島県福山市)。お膝元の野球チームである広島東洋カープのマスコットキャラクターをあしらった、その名も「カープ坊や お薬手帳」を制作したのだ。

葦陽薬品が制作した「カープ坊や お薬手帳」
葦陽薬品が制作した「カープ坊や お薬手帳」

 持参率向上のため、普段から携帯したくなるような親しみやすいデザインが重要だと考えたのは、代表取締役社長の中島康隆氏。中島氏がカープファンだったこともあり、「老若男女が愛着を持っているキャラクター」として、カープ坊やに白羽の矢を立てた。球団にコラボレーションを持ち掛け、許可を得てからは、デザインを決定するまでに何度もやり取りを重ねたという。約1年を掛けて、この9月に発売にこぎ着けた。