PR

3)AIの医療応用

 2016年は、人工知能(AI)の医療応用に関する話題が目白押しだった。ゲノム解析から画像診断、電子カルテ解析、鑑別診断まで、医療のあらゆる場面でAIの活用が試みられている。患者の白血病のタイプをIBM Watsonが10分で見抜き、救命につながった――。東京大学医科学研究所が2016年夏に発表した成果だ。

 主役はWatsonだけではない。自治医科大学は、双方向対話型のAI診療支援システム「ホワイト・ジャック」による総合診療支援システムを開発中(関連記事)。東京慈恵会医科大学はスマートフォンアプリとウエアラブル端末、人工知能を組み合わせた救急搬送支援システムを開発中で、2017年度に臨床研究を始める(関連記事関連記事)。「AIとどう向き合うか」は、いまや多くの医師が関心を寄せるテーマとなりつつある。

 AIの普及を前提に、医療機器の承認基準や診療報酬をどう見直していくか。政府もAIの医療応用を後押しする動きがある中、こうした制度設計が具体化するかどうかが2017年の注目ポイントになりそうだ。

4)遠隔診療、第2幕

 2016年は、遠隔診療の民間サービスが相次ぎ立ち上がった(関連記事関連記事)。きっかけは2015年8月、遠隔診療の適用範囲についてより広い解釈を認める旨の事務連絡を厚生労働省が出したこと。導入医療機関は着実に増えており、医療機関や自治体を巻き込んだ実証研究も始まった(関連記事関連記事)。ここまでの動きは、遠隔診療のいわば「第1幕」といえる。

 2016年11月の未来投資会議では、安倍首相が遠隔診療の推進に言及(関連記事)。2017年は遠隔診療「第2幕」として、診療報酬改定を見据えた議論が進むことが予想される。遠隔診療は現状、電話等再診という形でしか保険が適用されない。診療報酬改定でこれが見直されれば、遠隔診療の普及に弾みが付く可能性がある。

 遠隔診療が電子カルテとどのように連携し、診療情報を活用しやすい形へ進化するか。臨床現場での利便性を考えると、これも第2幕の重要なテーマだろう。2017年は、電子カルテなど医療情報システムのベンダーが遠隔診療をめぐりどのような動きを見せるかにも注目したい。