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9)保険業界×デジタルヘルス

 2016年に盛り上がりを見せた「製薬業界×デジタルヘルス」のように、2017年はさまざまな業種・業界とデジタルヘルスの連携が進んでいく可能性がある。その急先鋒が、保険業界だ。保険といえば従来のイメージは“万一の備え”。消費者の日々の生活やライフスタイルとの接点が強いとは言えなかった。ところがここに来て、“健康”を切り口に加入者との距離を縮める取り組みを、保険会社がこぞって始めている。

 損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険は、ウエアラブルデバイスやスマートフォンアプリを活用した健康増進事業に着手(関連記事)。メットライフ生命保険は2016年12月、デジタルヘルスベンチャーの支援とオープンイノベーションを目的とした「アクセラレータープログラム」を始動した(関連記事)。この他にも、さまざまな事例が登場してきている。

 各社は保険との連動を視野に入れつつも、まずは健康をサポートするという形で加入者の日常に近付こうとしている。その姿は、医薬品という本業での連携にはこだわらない幅広いテーマでデジタルヘルスへ斬り込んでいる製薬業界と重なる。自社のビジネスのあり方を中長期的に大きく変えていくインパクトを、デジタルヘルスに対して感じていることの表れといえる。こうした取り組みの中からどんな成果が出てくるのか、2017年はその点に注目が集まる。

10)保険適用アプリ

 2014年末に施行された「医薬品医療機器等法(薬機法)」では、医療機器としてのソフトウエアの扱いが大きく見直された。従来は、医療機器に標準搭載されたソフトウエアや医療機器のオプション製品としてのソフトウエアといった、ハードウエアに付随するソフトウエアのみが医療機器としての認可対象だった。しかし、スマホアプリをはじめ、単独で流通する可能性がある単体ソフトウエアも医療機器として認められるようになった(関連記事)

 薬機法施行後、既に、医療機器として認可されたソフトウエアは幾つも出てきている。その中で、2016年にはいよいよ保険適用にまでこぎ着けたソフトウエアが登場した。ベンチャー企業のアルムが開発し、東京慈恵会医科大学付属病院が導入した「Join」がそれだ。「時間との勝負」である脳血管疾患治療に挑むため、複数の医療関係者間でコミュニケーションをとるためのアプリである(関連記事)。

 今後、医療現場でのスマートフォンやアプリの活用が拡大していくことは間違いない。実際、保険適用を目指すさまざまな医療アプリの開発も進んでいる。こうした中、2017年はJoinに続く保険適用アプリがどれだけ登場してくるのかに注目が集まる。