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大手病院の標準サービスに

図3●院内ナビゲーション画面。診察室や検査室など、行くべき場所まで道案内する。現在地から行きたい場所までの案内もしてもらえる
図3●院内ナビゲーション画面。診察室や検査室など、行くべき場所まで道案内する。現在地から行きたい場所までの案内もしてもらえる
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 ビーコンは、GPSに比べて室内での現在位置を正確に把握できるだけではない。特定地点ごとに「ここに来たらこんなメッセージを表示する」といった仕掛けができる。歴史のある大学病院ほど増築と改築を繰り返し、巨大な迷路のようになっているのが実情であり、患者が行くべき検査室に近づいたらメッセージを出すなどして、迷うことなく行くべき場所へ案内し、患者の時間を無駄にしないようにする意義は大きい。

 建物が大きく複雑なことで有名な釜山大学病院のケースでは、慶州地震をきっかけにビーコンを活用したサービスに積極的になった。災害発生時、患者が外に避難しやすいようにするためには室内ナビゲーションが必要という理屈である。

 病院アプリは病院ごとに工夫が施されており、健康管理コンテンツも多数提供している。自宅にいながらちょっとストレッチがしたいとか、食べ合わせが気になる、もしかして病気かもといった場合にも参考になる。アプリから本人の過去の診療・投薬記録(該当病院の記録のみ)、予約状況もいつでも確認できるし、予約変更も可能だ。

 入院患者向けの情報も提供している。病室のベッドごとに設置したタブレット端末から、食事メニューや投薬記録、検査記録などを確認したり、無料動画(健康情報やテレビドラマの再放送など)を閲覧したりするといった形である。

 韓国では、病院における情報化は1990年代に始まった。現在では、電子カルテや検査記録、処方箋管理などあらゆる記録がデジタル化され、院内で医療関係者がタブレット端末でそれらを閲覧・記録するといった形で、モバイル環境での利用が可能になった。ビーコンと病院アプリはこうした院内の情報化だけでなく、病院と患者の間の接点を情報化するという側面からも貢献している。

図4●その他の機能。予約確認や診療予約、診療履歴、薬処方履歴(薬品情報)、検査結果、現在地からの院内検索などがある
図4●その他の機能。予約確認や診療予約、診療履歴、薬処方履歴(薬品情報)、検査結果、現在地からの院内検索などがある
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 ビーコンと病院アプリの組み合わせがあまりにも好評だったことから、韓国では最近1~2年間に開設された大手病院のほとんどが、病院アプリと院内ナビゲーションサービスを提供しているほどだ。ビーコンは室内での位置情報を高精度に把握できるだけでなく、他の位置情報技術に比べて安価に導入できることが、病院にとっては魅力的。病院側はビーコンを使って患者の動線データを蓄積し、より快適な病院設計にも活用していく考えである。

 韓国の大学病院は、IoT(Internet of Things)にも高い関心を寄せている。病院内のあらゆるものをIoTを活用して効率よく管理し、データを蓄積してビッグデータ分析。新しい医療サービスを生みだすことを構想している。