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 筆者がいつものように利用している社員食堂に最近、味噌(みそ)汁サーバーが導入された。具材の入った器をサーバーの注ぎ口の下に置いてからボタンを押すと、温かい味噌汁が器に注がれる。簡単ですぐできるので、一杯一杯、味噌汁をよそっていた従業員がいなくなり、行列もなくなった。便利に感じる一方で、この方式の本質は意外と我々が使っている「iPhone」(米Apple社)などのスマートフォン(スマホ)と共通点があるのではないかと思い当った。今回は、その共通点について紹介する。

味噌汁サーバーの仕組み

 味噌汁サーバーとは、いつでも出来たての温かい味噌汁を多量に提供する機器だ。その構造はそれほど複雑ではない。専用のパックに入った液体状の味噌を本体にセットし、本体内蔵の水タンクに水を入れ、電源を入れておけば、一杯分の味噌汁がボタンを押すたびに出てくる。内蔵パネルで味噌汁の温度、量、濃さを調整することが可能で、好みや気候に合わせて適切な味噌汁を提供できる。

 味噌汁サーバーは、味噌を造る会社として知られているマルコメが機器メーカーと共同で発売した製品だ。2011年の登場以来、どんどん改良されて進化している。食堂やレストランなどの業務用だけではなく、家庭用まで開発されている。

食品機器の展示会で見かけた味噌汁サーバー
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食品機器の展示会で見かけた味噌汁サーバー
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食品機器の展示会で見かけた味噌汁サーバー

 その基本構成は、ハードウエア(マシン)、ソフトウエア(調整プログラム)とコンテンツ(味噌、具材、レシピ)とみなすこともできる。マシン本体は1回購入すれば、壊れるまで使える。一方、味噌や具材は消耗品でそれらに掛かる費用はマシンに比べれば遥かに大きい。すなわち、マシン本体よりもコンテンツとなる味噌と具材の方が大きな収入源となり得るというものなのだ。そのため、マシン本体はレンタルで提供されることも少なくない。この点に目を向けると、同サーバーを主導するのが機器メーカーではなく、味噌メーカーであることもうなづける。しかも、味噌メーカーなら、様々な味を楽しむことが可能な豊富な種類の味噌を用意でき、コンテンツとなる味噌汁の魅力を高められる。現在、マルコメでは同サーバー向けに、地域性を考慮した味、懐かしい味、健康的な味を楽しめる味噌など、全部で十数種類の味噌を提供しているという。同サーバー向けの味噌と具材は全てマルコメが直販している。