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機械安全とセキュリティーの共通点とは

 ただし、インターネットを活用して安全性を高めようとする場合、セキュリティーの確保が重要になると向殿氏は指摘する。Safety 1.0の世界では、物理空間の安全性と情報空間のセキュリティーは切り離されており、たとえ情報空間のセキュリティーに問題が起きても、それが直ちに物理空間の安全性に影響を及ぼすことはなかった。ところが、機械やセンサーがインターネットにつながっているSafety 2.0の世界では、セキュリティーの問題が安全を脅かしかねないのである。

 向殿氏によれば、機械安全と情報セキュリティーは「完璧であるということがあり得ない」(同氏)という点でよく似ているという。そのため、「許容可能なリスク」という機械安全の考え方を情報セキュリティーに適用することで、Safety 2.0に合った情報セキュリティーを確立できる可能性があると同氏は見ている。

明治大学名誉教授の向殿政男氏
明治大学名誉教授の向殿政男氏
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 講演の最後に向殿氏は、トップマネジメントの重要性に言及した。「安全技術の開発を引っ張れるのは、企業のトップだけ。安全はコストではなく投資という考え方が必要になる。一方で、現場には安全やリスクに関する情報をトップに上げる責任がある」(同氏)。さらに、安全は「みんなでつくる時代になった」とも同氏は語る。「安全の基準は時代や環境によって異なる。技術だけでは決まらないからこそ、企業/管轄官庁/消費者という立場の融合や、人と機械と環境の融合が求められる」(同氏)。