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目指すは「インダストリー4.5」

 TDKの主力事業である電子部品の市況は、決して悪くない。ここ最近はスマートフォン(スマホ)が市場拡大をけん引してきた。今後もIoT(Internet of Things)や自動運転による新たな需要が期待できる。それでも、いや、だからこそ「このままでいいのか」という強い危機意識が石黒氏にはあるという。

 例えば、ドイツの産官学が一体となって推進する「Industrie 4.0」(インダストリー4.0)。大量のセンサーで生産ラインを監視し、最適な制御をリアルタイムで実施しつつ、クラウドでの分析結果を現場にフィードバックする――。新棟では、こういったインダストリー4.0の考え方を積極的に取り込む。

 もちろん、従来も同様の取り組みはしていた。しかし、今後はレベルを一段上げる。具体的には「ゼロディフェクト」、すなわち工程内も含めて不良品を一切造らないことが目標になる。

 従来は、不良品を市場に流さないことに主眼が置かれていた。センサーデータは、最後の検査工程で不良品を見つけたり、不良品が生まれた原因を後で分析したりするために活用されていた。今後は、工程ごとにきめ細かくデータを収集・分析し、不良品の発生を防ぐ。将来的には、前工程の結果に基づいて後工程のパラメータをリアルタイムで調整することなども視野に入れる。目指すは、インダストリー4.0とゼロディフェクトを組み合わせた「TDK版インダストリー4.5」だ。

「インダストリー4.0」と「ゼロディフェクト」の組み合わせで「TDK版インダストリー4.5」を目指す。
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