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良い「シナリオ」が大事

 そこでIVIが取り組んでいるのは、良い「シナリオ」を作ることである。シナリオとは、つながる工場で目指したいこと、例えば予知保全のような比較的抽象度の高い目的に対して、「誰がアクター(現場で行動する人)か」「どのようなモノや情報があるか」を洗い出し、モノや情報の流れに沿って矢印を加えていく。そうすることで、現場を可視化しているのだ。IVIでは、さまざまな企業や団体のメンバーによるワーキンググループを設置し、シナリオの作成に取り組んでいる。「シナリオを作るのに特別なITスキルは必要ない。現場の作業者が発言したり記録したりできる。つながる工場にITシステムは不可欠だが、仮想世界のITシステムを構築するのは、現実世界のシナリオを定義してからの方が良い」(西岡氏)。

アクター、およびモノや情報の流れを可視化してシナリオを作成する
アクター、およびモノや情報の流れを可視化してシナリオを作成する
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現実世界のシナリオを作成してから、それと対応するような仮想世界のITシステム構築に取りかかる
現実世界のシナリオを作成してから、それと対応するような仮想世界のITシステム構築に取りかかる
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 このようなシナリオがあれば、それに基づいて企業を超えて共有できる情報(協調領域)と共有できない情報(競争領域)が明確になるし、“言語”の共通化にも道筋を付けられる。前述の知的財産や言語の問題を解決する上で、シナリオは重要な役割を担っているのだ。

 2015年6月に設立されたIVIでは、最初の1年をこのシナリオ作りに費やした。そして2年目を迎えた現在、IVIがシナリオ作りと並行して進めているのが、「プラットフォーム」の作成である。