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FA/計測機器は高すぎる?

 3番目の質問は、FA/計測技術の展示会が舞台ということもあってか、「第4次産業革命の実現に向けて、FA/計測技術に期待することは何か」というものだった。

 これに対して、法政大学の西岡氏は「個々の要素技術は素晴らしいレベルだが、それらをつなげるところにも積極的に挑んでほしい」と注文を付けた。第4次産業革命では、個々の要素技術が優れていても、それらが単体で価値を生み出したり、利益をもたらしたりするのは難しくなる。そのため、ソフトウエア/システム/ソリューションなどで価値を生み出し、自社の利益を出すためのビジネスモデルが不可欠になる。日本の企業は、そうした付加価値の高い領域に踏み出すべきと同氏は語る。

 武州工業の林氏は、中小企業の経営者という視点から課題を挙げた。既存のFA/計測機器は高すぎて、中小企業が導入できないというのだ。「ビッグデータを集めるという意味では、FA/計測機器をすべての生産ラインに導入したい。だが、既存のFA/計測機器は、中小企業にとってそう簡単に導入できる価格にはなっていない。私の感覚では、FA/計測機器の価格が1桁下がれば、すべてのラインに入れられるようになる」(同氏)。

 こうした要望にFA/計測機器のメーカーが応えるには、従来の常識からいったん脱却する必要があるだろう。具体的には、既存の機器に備わっている機能や性能が本当に必要かどうか見極めてゼロベースで全く新しい機器を企画・開発する、あるいは従来の「売って終わり」のビジネスモデルから「使った分だけ代金をもらう」ビジネスモデルに転換するなど、中小企業でも手軽に導入できるようにするための取り組みが、第4次産業革命の実現に向けて欠かせなくなりそうだ。

 この課題に対しては、未来調達研究所の坂口氏が飲食店情報ポータルサイト「ぐるなび」の事例に触れつつ、決して解決できない課題ではないと述べた。当初、「ぐるなび」は中小の飲食店までには広まらないといわれていたという。だが、今では全国約14万4000店(2014年12月末時点)の店舗情報を掲載するポータルサイトに成長した。同様に、多くの中小企業をネットワーク化することによって、林氏が指摘する課題を解決できる可能性があるという。「例えば、全国の中小企業が保有しているプレス機の稼働状況が手に取るように分かれば、空いているプレス機に効率良く発注できるようになる。日本全体の生産設備を見える化することが、日本の製造業に大きな利益をもたらす」(坂口氏)。