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 DNAとは、デオキシリボ核酸のことで、一般的に遺伝子と言う。先祖から子孫へと連綿と伝わるもので、DNAによって顔立ちや体つき、そして個性や性格といった精神的な特性までが、代々受け継がれて行くのである。

 そして、このDNAというものは、人間や動物の世界だけでなく、開発にもDNAがあって、大事な役割があるのではないかと思うのだ。

 開発のDNAなんて聞いたこともない、そうおっしゃる向きも多いだろう。しかし私は、どうもDNAが関与しているのではないかと思われるケースにしばしば遭遇しているのである。

 例えばつい先日、ある工場を見学させていただいた時のことである。工場に入って、私は次から次に自社で作った自動機や専用機を見せられて驚いたのである。

 それは、まるで自動機・専用機の展示会に来たと思うくらいに多種多様なものばかり。この全てを自社で作ったとは、最初は信じられなかった。

 そこで素朴な疑問をぶつけてみた。なぜこのようなことができるのか。何か、特別な訓練とか研修を受けたのか。案内してくれたご担当に聞いたのである。

 その答えは、いや、私が入社した時から、自動機や専用機はすべて内製していて、訓練も研修も特にありません。ただ、技術開発部や技術管理部は、いつもワイワイとやっていまして、残業が多すぎると上からいつも怒られています。まあ、上も仕方ないと諦めてはいますが、自主的にやっていることですから止めようがないのです。

 先日も、定時にタイムカードを押して退社し、その後に会社に戻って夜中までやっているグループがいたのです。上もあきれてしまいましたが、ちゃんと残業とするように指導したくらいです。

 いやはや、何とも素晴らしいと言うか、好きなんだなあと言うか、この人たちにとって、開発とは至極当然のことであり、自然に身体が動いているのである。

 しかしなぜ、このようなことになるのであろうか。それが、DNAなのだと、私は思うのである。