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祝! 100話

イラスト:ニシハラダイタロウ
イラスト:ニシハラダイタロウ
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 よく、あいつは外面(そとづら)は良いが内面(うちづら)が悪い、と言うことがある。その逆の、内面が良くて外面の悪い人もいるにはいるが、どちらかと言うと、内面の悪い人の方が多いようだ。

 内面というのは、身内や近い関係の人に見せる態度や物言いのことだが、なぜ、内面は悪くなってしまうのだろうか。それも、外面の良い人ほど内面が悪い傾向にあるようだ。確かに、面(つら・以下「ツラ」)が向く先は内か外かのどちらかしかないのは分かるが、内と外でそんなに大きく違うのはいかがなものか。

 両方とも良い、そんな人がいるかどうかは知らないが、内面も外面、その両面の按排(あんばい)を良くするにはどうしたらいいのだろう。

 この内と外、それを下と上に置き換えると分かりやすい。会社の中で言えば、職位が下か上かの関係だ。

 ある課長さんの場合としよう。この課長さん、仕事はバリバリしているように見えるのだが、何とも課内の評判が悪い。朝から晩まで怒鳴り散らして、ガミガミ言うだけ。課員は一生懸命に頑張っているのだが、とにかく評価をしない。何をやっても叱るだけで褒めないのである。

 なのに、上の部長には受けが良い。その課が成果を上げているのは俺の手柄とばかり、しっかりと部長に取り入っているのである。

 部長に対してだけではない。この課長、一歩、課を出た途端に表情が変わる。それまでの仏頂面(ぶっちょうづら・不機嫌にむくれた顔つき)が急にニコニコ。それこそ仏のような笑顔になるのである。課外の人は、この課長が課内にいるときの顔や態度を知らないのだから、なんとできた人物であると思うのは当然だ。

 多くの場合、内面や外面が大問題になることはない。しかし、これほど内外(うちそと)でツラが違うと、それが問題になることもある。

 それは、自分のツラをある目的のために内と外で使い分けているのであるから、一種の策略と言われても仕方ないということだ。中には、それを承知でツラを使い分けている人もいるのだろうが、それができるくらいなら、内も外も両方のツラを良くしたらどうだろう。

 あまりに策に溺れると、本当に仕事はできるのに、外面を良く見せかけたばかりに馬脚を露す(化けの皮がはがれる)ようなことになる。