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 誰にでも好かれようとする女性を八方美人と言うことがある。それは、女性だけではなく男性も同じで、男女共通の心情である。

 時々、この八方美人的とも言える開発プロジェクトに出会う時があるのだが、よくない結果になることが多いので、要注意だ。

 言うまでもなく、開発とは新事業や新商品を創造することである。いかに多くの顧客に気に入ってもらえるか、そこが勝負でもある。しかし、結果として、この八方美人的心情が開発の障害になるのである。

 人間は、好かれたいと思うのが当たり前で、それは本能と言ってもいいのかもしれない。しかし、それを開発に持ち込んではいけない。つまり、開発した新事業なり新商品を、全ての人に好かれようとするのは間違いなのだ。

 開発した新事業や新商品を多くの人に提供したいのは分かる。しかし、全ての人にと言うのはあり得ない。あり得ないのに、この八方美人的心情が頭をもたげ、「より多くの人に」が、「全ての人に」と、いつの間にか入れ替わってしまうのである。

 さあ、こうなると開発の方向はまさに八方に向かう。誰にでも受け入れられるように企画・設計し、誰にでも買って欲しいと媚び媚びの開発になってしまうのである。