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 東芝の会計問題が報道される際には、「不適切会計」という表現が使われることが多い。当事者である東芝自身も、2015年7月29日に発表した「第三者委員会の報告報告の結果を受けた当社の対応策等について」というリリースで「不適切会計問題」と記述している。だが、「不正」と表現するメディアもあるし、少数ではあるが「粉飾」と言っている人もいる。

 これに関して、「どう違うんですか?」と聞かれることが少なからずある。だが、メディア内部の人間ではない筆者にとって、各メディアがどのような基準で表現を使い分けているか、正確なところは説明し難い。各社は独自の解釈と判断に基づき、それぞれの言葉を使い分けているからだ。

 例えば、強制捜査が入るか否かで「粉飾」という表現を使うかどうかを判断しているメディアもあるようだ。しかし「粉飾」には、本来そのような意味はない。各メディアが独自の(勝手な?)解釈で言葉を使い分けているため、一般の人々はかえって混乱させられている感がある。

 果たして、東芝の会計問題は不適切なのか、不正なのか、それとも粉飾なのか。今回は会計の専門家の視点で、これらの言葉遣いを改めて整理してみたい。