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 個人的なことになりますが、私はいくつかの疾患を抱えています。そのため医療機関を訪問する頻度も多くなっていますが、米国では医療機関にかかるためには、基本的にプライマリードクター(かかりつけ医)の紹介が必要になります。最近になって、私のプライマリードクターのクリニックが隣町に引っ越しました。新しいオフィスを訪問してみますと、以前のものに比べてはるかに大きくなっていました。築100年以上の古いレンガ造りのビルに入っていたのです。20世紀初頭に建設された機械加工工場を再開発したようでした。

クリニックが新たに入居した元機械工場のリニューアルビル(クリニックはビルの4分の1程度)
クリニックが新たに入居した元機械工場のリニューアルビル(クリニックはビルの4分の1程度)
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 実はニューイングランドでは、このような古い工場などの再開発は珍しいことではありません。日本では、都市の再開発といえば、スクラップ&ビルトですが、当地では、基本的に古いビルを壊すことはしません。基本構造を活かして内装や外装のみを変更することが多いのです。

 ニューイングランドには19世紀後半から20世紀初頭にかけて建てられ、現在は廃屋になっている工場ビルがおびただしい数で残っています。当地では、これらの古いビルをリニューアルして、新しい用途で使えるようにする仕事が一大産業になっているのです。新しい用途はオフィス、レストラン、養護施設、アパート、タウンハウス、貸し倉庫、立体駐車場など様々です。違った業種に活用される工場も少なくありません。

リニューアルされた19世紀のビルの壁に描かれた巨大な壁画。窓のように見えるのも、すべて描かれた壁画になっている
リニューアルされた19世紀のビルの壁に描かれた巨大な壁画。窓のように見えるのも、すべて描かれた壁画になっている
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 古い工場の基礎はレンガ造りですので、まずその補強を行います。次いで水回り、ガス、電気、通信、冷暖房のための配管類を敷設します。最近では、無線LANなどのITに関する機能も標準装備となっています。外装はそのままのケースも少なくありません。レンガは表面を削ると真新しく見えるので、改装をしてもアンティークな感じが維持できています。余談ですが、私の住んでいるHaverhillでは、新しいレンガ壁に、アーティストが大きな壁画を描く試みがなされていて、街を散策する楽しみになっています。窓は二重か三重のガラスサッシですが、レンガの外壁にマッチしています。内装はいろいろで、配管類がむき出しの例もあれば、築百年の気配を全く感じさせないものもあります。