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 前編に引き続き、「日本企業が狙うべきIoTの市場と地方の可能性」というテーマで、IoT分野の第一人者である東京大学先端科学技術研究センター教授の森川博之氏にお話を伺います。前編では、IoTでは地方企業が重要な役割を担っており、東京一極集中ではなく地方ごとにエコシステムを構築する必要があるとご指摘いただきました。

 後半では、実際に地方で芽生えつつあるIoTビジネスの事例を紹介していただきつつ、センシングデータに経済的な価値を付けるための方策について伺います。ここで重要なプレーヤーとして森川氏が挙げたのは、意外にも金融業界でした。
米BigBelly Solar社の「スマートごみ箱」。日本では、NSWが販売代理店となっている。
米BigBelly Solar社の「スマートごみ箱」。日本では、NSWが販売代理店となっている。
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大田 IoTで実際に地方のニーズをうまく活用した事例はあるのでしょうか。

森川 「スマートごみ箱」が挙げられます。街のごみ箱がインターネットにつながって、リアルタイムでごみ箱の容量が分かるので、満杯になりそうなときだけ回収することで効率化され、回収コストを大幅に削減したというものです。

 これは、身近なところにビジネスの種があるという良い事例です。IoTビジネスの種は、本当に身近なところにあります、それをみなさんには見つけてほしいですね。ごみ箱でさえスマート化されていくのだから、他にもたくさんあるでしょう。我々はまだそれに気付いていないだけで、スマートごみ箱のような事例はいくらでもあるはずです。

 スポーツも有望です。ドイツでは、スポーツの練習や試合中の選手の位置情報などをすべて記録するという取り組みがあります。今まではコーチが経験や勘で指導していたところを、データ化することで誰にでも分かりやすく共有できるようになったわけです。

 こうした事例が増えると、データをどんどん使った方がいいという風潮になっていきます。「自分の身の周りに何かデータを活用できることはないか」とみなさんが考えるようになると、新しい事例が次々と生まれてくるという期待がありますね。

大田 確かに、自分の身近な分野でIoTの良いサービスやアプリがあると、それなら自社に当てはめたらどういうビジネスができるかなと考えますね。