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 2014年春に立ち上げたリアル開発会議――。最初にスタートしたプロジェクトが【開発No.001】発電服「電服」である。着用者の動きで発電し、次世代の電源になる新しい衣服を目指し、2014年12月にプロジェクトが始まった。

 最終的には、専門商社の長瀬産業と、圧電フィルムや有機薄膜太陽電池を手掛ける研究開発ベンチャーのイデアルスター、合成繊維加工メーカー、スポーツ用品を手掛ける企業の4社によって2015年12月までプロジェクトを進めてきた。具体的には、世の中にある小型発電グッズの調査や、圧電材料や有機薄膜太陽電池などの発電素子を用いた試作、その性能の検討に取り組んだ。特にプロジェクトの前半ではフィルム状の圧電材料に注目し、その特性や用途を探った。

 結論から言えば、この材料については、センサーとしての利用や、LEDを点滅させる程度の発電能力はあるものの、発電服に関連した新しい応用を生み出す領域までは現段階で届かないとの判断に至る。

ソーラーパネルの用途を探る

 圧電材料の試作と並行して調べていたのが、太陽光発電を用いたグッズである。世の中のニーズは、やはりスマートフォンなどの携帯機器を充電できるくらいの電力をどこにいても確保したいということ。米国では、アウトドアのグッズとして、バックパックに下げて持ち歩ける携帯型ソーラーパネルに人気があり、さまざまな商品が販売されている。最近では、日本でもよく見かけるようになってきた。

 その携帯型ソーラーパネルを入手し、発電能力を調査した。特に性能が高いのは、単結晶シリコン型の太陽電池を使ったもの。直射日光の下であれば性能はかなり高い。だが、難点もある。単結晶型は重くて、硬く、衝撃がかかると割れる恐れがあった。

 これを軽くて柔らかい有機薄膜太陽電池で代用できないかと話は進んでいく。実際に携帯型ソーラーパネルなどを試作し、評価した結果、発電性能は結晶シリコン型に劣るものの、その軽さでは十分な魅力がありそうとの結論に至った。

 ここで、プロジェクト開始から早1年がたとうしていた。リアル開発会議のルールは、原則1年間。1年経過したら、プロジェクトの今後の進め方をメンバー全員で話し合うことに決めている。今回、「発電材料」「商社」「繊維」「スポーツ用品」と、開発の上流から製品化までの工程を担える企業が集結したことで、今後はリアル開発会議の手を離れて、4社でビジネス化に向けた検討を進めるとの結論に達した。

 リアル開発会議で出会った、この4社から近い将来、新たな商品がきっと生まれてくるはずだ。その時が来るのを今か今かと待ちわびている。