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新たな車載システム開発におけるプロジェクトマネージメント

 先述の環境変化の中では、プロジェクトマネージメントのスタイルの変化も求められ始めている。従来は、開発すべき要件、QCD(Quality(品質)、Cost(費用)、Delivery(納期))などで求められる目標などから、プロジェクト全体としての活動を定義し、それを細分化して個々のプロジェクトメンバーにそれを割り当てる。そして、個々のプロジェクトメンバーが達成すべきことを達成できていると確認しながらプロジェクトを遂行することで、プロジェクト全体の目標達成を目指すものである。

 このマネージメントスタイルは、開発すべき要件やプロジェクトとしての達成目標が明確なことが前提となる。つまり、全体が見渡しやすいプロジェクトでは比較的成功を収めやすいといえる。従来はそれに当てはまる状況が多かった。

 一方で、昨今の変化の中では、従来型のマネージメントスタイルだけではうまく管理できないケースが見られている。決まっていないことに対して、いわゆる行間を読んだ対応に抜け漏れが出ているのである。

 そのため、「個人に割り振られたタスクをこなす」「個人の目標を達成する」ということだけではなく、自身の役割を超えた相互作用型の振る舞いが組織の中で求められている。それに向けた取り組みでは、報酬制度を個人報酬からチーム報酬へと転換した企業の例も見られるが、制度転換に対するプロジェクト現場からの反発もあって、まだまだ課題が残っている。

 逆に、日本ではすべてを詳細に計画してプロジェクトを管理するというよりも、個々のコミュニケーションの中から最良の策を導くスタイルが取られてきた。これは、従来型のマネージメントスタイルに照らし合わせれば、「明文化されていない」「根拠を説明できない」マネージメントとして劣った評価がされがちだった。しかし欧州の企業の中には、このような日本型のスタイルの中からヒントを得ようという考えもある。