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 組み込みシステムの複雑化に伴い、LSIにおいてもシステムレベルの効率な設計が期待されている。システムレベルの設計では、C言語ベースのハードウエアモデルが主流で展開されている。その一方で、ハードウエアシステムの性能予測や機能仕様をアプリケーション回路レベルで検証するには、高度なハードウエアモデリングが必要である。システム環境もデジタルとアナログが混在する回路になり、回路実験のレベルでは性能予測が難しいレベルのアルゴリズム検証が必要不可欠になる。

 そこで期待されているのが、「SPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis、スパイス)」と呼ばれる電子回路のアナログ動作をシミュレーションするソフトウエアだ。1973年に米University of California Berkeley校で開発され、集積回路に使用する電子回路のツールとして幅広く活用されている。SPICEを活用したハードウエアモデリングの場合、SPICE記述のネットリストになる。モデリング手法は素子レベル、等価回路レベル、数学(関数)レベルおよびABM(Analog Behavioral Model)の複合モデリングであり、等価回路技術の発展によってモデリングの対象が広がりつつある。

等価回路技術がキーになる

 製品開発において、世界市場の競争の舞台は先進国だけでなく発展途上国にも広がっており、商品開発時間の短縮が急務となっている。設計環境において高額なライセンスを払わなくても無償で優良なソフトウエアが増えたことで、先進国の優位性は無くなりつつある。このような環境化において、実機の試作製作前に設計品質の高い設計ができるかが鍵になる。モデルベース開発やラピッドプロトタイピングといった言葉がキーワードになっている。トポロジーから詳細シミュレーションまで支持されているのが「SPICE」だ。以前はSPICEの派生ソフトである「PSpice」のユーザーが多かったが、ここ数年は多くの大企業が同じく派生ソフトの「LTspice」を採用しており、中小企業や個人レベルにも急速にユーザーが拡大している。LTspiceは、米Linear Technology社が提供する無償でフル装備の回路解析シミュレーターである。