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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小惑星探査機「はやぶさ2」が2015年12月3日に地球スイングバイを実施すると発表した。このスイングバイで探査機は太陽回りの速度を1.6km/s増速して、目的地である小惑星「Ryugu」(「1999JU3」)へと向かう。スイングバイに向けて、「Delta-DOR」という飛ぶ軌道を精密に計測する(軌道決定という)新しい手法を使い、従来よりも1桁高い精度で軌道決定を実施している。また、一般向け広報活動の新たな試みとして、はやぶさ2の軌道データや、スイングバイ時にどの地点からどの時刻にどの方向に見えるかを計算したリストを公表した。

津田雄一・JAXA宇宙研准教授
記者会見で地球スイングバイ概要を説明するはやぶさ2プロジェクト・マネージャーの津田雄一・JAXA宇宙研准教授
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太平洋上空を北から南に通過

 はやぶさ2は、2014年12月3日に種子島宇宙センターから、「H-IIA」ロケット26号機で、ほぼ地球に並走する軌道に打ち上げられた。打ち上げ時のロケットの推進エネルギー、および1年間に行ったイオンエンジンの運転により、軌道には地球に対して相対的なエネルギーが蓄積している。それをスイングバイで探査機の速度に変換するとともに、地球からも運動エネルギーを受け取り、同時にRyuguへ向かう軌道へと乗り移る。Ryugu到着は2018年6~7月を予定している。

 2015年10月14日現在、はやぶさ2は地球から2000万km離れたところにあり、太陽に対する速度が30.3km/s、地球に対する相対速度5.2km/sで地球を追いかけるようにして接近しつつある。

 同年12月3日、はやぶさ2は地球に対して天の北極側から接近してくる。地球上から見上げるように見ると、北米大陸を東から西に横切りシベリア上空で右に大きく回って太平洋をほぼ南北方向に南下、その間、ハワイ近海上空で日本時間午後7時7分頃に、地表3100kmまで最接近する。この最接近を挟んだ20分間、はやぶさ2は太陽光が遮られる地球の影の中を通過する。太陽電池パドルからの電力がなくなるので、この間は搭載バッテリーから電力を供給する。

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