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「フリードを”疲れないクルマ“にしたかった」

F:そんな風に言われていたのですか。知りませんでした。しかしレガシィと並び称されるってのも凄い話ですね。

:ええ、高速道路でもどっしりとした安心感、安定感がある直進安定性。これはやっぱり素晴らしいなと自負していました。ところが、同じホンダが造るクルマでも、ステップワゴンや、初代のフリードは、オデッセイから乗り換えるとやっぱり真っすぐ走る感じがしないんです。

 真っすぐ走らせようとすると、こう……「当て舵」って分かりますかね。まっすぐ走らせるために無意識のうちにクックッとステアリングを微調整することです。そうすると疲れるんです。私はフリードを”疲れないクルマ“にしたかったんです。

F:真っ直ぐ走るクルマを作ってくれということは即ち、疲れないクルマを作ろう、ということですか。

:その通りです。ミニバンに必要なのは、やっぱりそこだと私は思っています。汗臭いハンドリングの良いクルマとか、そういうことは求めてなくて。真っすぐ走るクルマというのが一番なんですよ。

 真っすぐ走って、かつ、ハンドルを切ったら思ったようにそれをトレースしてくれる。コーナーが迫ってきて、ハンドルを切ったらこのラインで俺は走り抜けるな、というイメージがあって、そのイメージ通りに曲がってくれる。これが良いクルマです。

F:まっすぐ走って、かつ思い通りに曲がるクルマ。

:そうです。その究極はレーシングカーです。レーシングカーって、真っすぐ走るし狙ったライントレースをピシッとできるでしょう。その入り口のレベルでいいから、フリードに入れようよと。

F:そうするために、何をされたのですか?

:そう聞かれると我々はよく、「ボディーの剛性を上げました」とか、「足回りの剛性も上げました」とか言うんですが、それだけじゃダメなんですよね。

 今回は確かにボディー剛性も各サスペンションの剛性も上げてはいるんです。ですが足回りのパーツの剛性を上げたものと、ボディーの剛性を上げたところの「つながりの部分」。いわゆる取り付け点の剛性が弱いとダメなんですよね。つながりがヤワだと全てがオジャンになってしまう。

F:すると新しいフリードは、ボディも足回りも取り付け点も、全ての剛性がアップしていると。

:そうすると当然、コストとウエートが上がってしまうので、そこはあるバランスを取らなきゃいけません。あとスペースですね。スペースの問題もある。

F:向上した剛性を数字で表すことはできますか。前モデル比何%アップ、とかそういう数字は有りますか?

:もちろん有ります。例えばねじり剛性。無論これだけで語ることは出来ませんが、30%アップしています。

F:30%アップって、すごくないですか?

:凄いと思いますよ。あと目立たないけど凄いのがリアのトーションビーム(サスペンション)の取付点。従来は3点で締めていたところを5点締めにしています。1カ所当たり2点、左右で4点締め付け点が増えている。工場ではとても嫌がられていますけど。何しろ決められたタイムタクトの中での作業が増える訳ですから(苦笑)

F:あまりピンと来ませんが、ネジが3カ所留めから5カ所留めになるのって、そんなにエラいことなんですか。

:そりゃもうエラいことです。全然違います。工場に負担は掛けますが、クルマの仕上がりは全然違ってきます。

前モデルに比べ、足回りも大きく改善されている
前モデルに比べ、足回りも大きく改善されている