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「“シッポリ”ではなく“しっとり”です」

:2017年モデルイヤーでは、さらに踏み込んで、そのクルマをお客様がどう使うのかと。GT-Rは1000万円超えのクルマですから、大事な人を誘い、日常の生活に潤いを与えるという部分を無視してはいけないんです。その部分が出来てこそ、初めて本当のGTと言えるのではないかと。

F:線だ面だというのは、この2017年モデルからですか?

:そのように表現したのは2017年モデルからです。もちろん14年、15年モデルでも、過程の中ではそれを非常に強く意識してやってきています。例えば2013年モデルまで指揮を執った水野から田村がクルマを引き継いだときに……。

F:田村さんに変わってから、うんと足回りが柔らかくなったと言われました。

:田村は「レーシングカーよりも硬いんじゃないか」、とまで言われたバネレートとサスペンションを引き継いだのですが、例えば“田村前と田村後”をブラックエディション同士で比較すると、バネレートはほぼ半分ぐらいまでになっています。

バネレートはスプリングの硬さを表す指標である。単位はkgf/mmで、スプリングを1ミリ縮める為に必要な力を示している。例えば5.0キロと表記されたバネレートは、5.0kgの力を加えると1mm縮む、という意味である。

F:えー!田村政権に移行したら、バネレートはイキナリ半分に!そりゃ柔らかく感じますね。

:ええ。でもこの部分は十分気を付けて書いて欲しいのです。バネレートが半分になっても、それでもまだフェアレディZと比べると全然硬いんです。それぐらい、前のGT-Rはガチガチだったということです。

 あまり「柔らかい」とか「コンフォート」とかの言葉が飛び交うと、どうしても誤解を招いてしまうので。「滑らかでしっとりした」側にチューニングをしてきている。こう表現して頂きたいです。

F:滑らかでシッポリね。なるほど。

:いやあの「シッポリ」じゃなくて「しっとり」です……。

F:ああ「しっとり」ですね。こりゃまた失礼(笑)

:お願いしますよホント(苦笑)

ここで開始から20分経過。田村さんはまだ登場しない。

F:「柔らかい」とか「コンフォート」という言葉が飛び交うのは困ると仰いますが、サスペンションの硬さを変えるスイッチには「Comfort」のモードが有りますよね。

:確かにスイッチの表記にはそう有りますが、コンフォートと言うと、すぐに「GT-Rは日和った」とかいうご批判が出てきますので……。

F:GT-Rは日和ったですか。うーん。乗ってみれば分かるんですけどね。乗っていないで本だけ読んだ人が言っているんじゃないのかな。