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「自動車会社では、機械専攻じゃない時点で、そもそもヨソモノ」

:ちょっとカッコ悪い話なんだけど、本当のことを言うと、GT-RとかZの開発をやりたくてこの会社に入ったんだよ。恋い焦がれるわけじゃない。スポーツカーに。

F:自動車会社に入る人は、全員が絶対にスポーツカーに携わりたい。ゴーンさんもインタビューの時に仰っていました。

:スポーツカーに恋い焦がれてこの会社に就職した。だけど実際に配属されたのは、スポーツカーと何の関係も無い部署でさ。ナントカ研究所みたいなところで、朝から白衣を着て試験管を持って、スポーツカーどころか目の前にクルマすらない環境で、いったい俺は何の会社に入ったんだろう……と思うぐらいのところで毎日生きていた。

 あの俺、クルマの開発をやりたいんですけど、と言ったら、君は化学専攻だから、ウチの会社ではこういう研究職をやってもらわないと困るんだよね、と言われてしまって。

F:えー、田村さんはバケのご出身で?

:うん。おれはバケが専攻。知らなかった?

F:らしくね-(笑)

:だけど自動車会社では、機械専攻じゃない時点で、そもそもヨソモノなんだよね。だって、機械の人が自動車を設計しているんだから。

F:エンジンの燃焼とか塗装とか、材料もそうか。バケ系のお仕事はたくさん有るじゃないですか。自動車会社にも。

:有るには有るんだけど、何かちょっと違うよね、というのがある。

 さあさあ、田村さんの知られざる過去話まで飛び出して、いよいよ盛り上がって参りました。

 GT-Rの開発秘話は次週へ続きます。お楽しみに!

GT-Rと「コミットメント」の"生みの親"

皆さんこんにちは。編集担当のY田です。

生産終了が決定していたスカイラインGT-Rの後継車種としてNISSAN GT-Rをこの世に送り出したのが、カルロス・ゴーン氏。先月、社長とCEO(最高経営責任者)からの退任を発表しましたが、その在任期間は17年にも及びました。

日産の再建に向け、工場閉鎖や系列解体などの大ナタを振るう一方で、部品の共同購買などルノーとのシナジー拡大によって業績をV字回復させたのは読者の皆さんもよくご存じかと思います。就任当初は「コストカッター」として名を馳せたゴーン氏。振り返ると、ゴーン氏がきっかけでよく使われるようになった言葉は、それ以外も幾つかあります。

例えば、某ダイエットジムのCMでも話題になった「コミットメント」。「日産リバイバルプラン」を発表した際にゴーン氏が使い、注目を集めました。

「ダイバーシティ」もそうした言葉の一つ。日産が「ダイバーシティディベロップメントオフィス」という専門部署を設置したのは、今から10年以上前の2004年です。

クルマの世界における「デザインアイデンティティ」も、そうした言葉の一つに加えてもいいかもしれません。着任するやいなや「日産のクルマにはデザインに個性がない」と指摘し、デザイン部門の権限を大幅に強化しました。今ではどのメーカーもデザインに一貫性を持たせていますが、日本での先駆けは日産だったと言えるでしょう。

今回の退任は、IT企業などとのアライアンス強化への注力、間近に迫った仏大統領選挙への対応などが理由だと言われています。日産ではなくグループ全体の「顔」として「つながるクルマ」や自動運転のためのアライアンスを進めるという判断は、自動車産業が今後迎えるであろう変化の激しさを象徴するような出来事なのかもしれません。

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