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三菱自動車の話はどうなった?

 今年の1月に開催されたオートモーティブワールドのパネルディスカッションに登壇した際、会場にいらしていた三菱自動車勤務の若い女性から、「ウチのクルマも取材して下さい」と熱烈なラブコールを受けたのは以前、当コラムで話した通りです。

 「書くのは良いけど、今の時期に三菱のクルマを取り上げると、どうしたってディスることになりますよ」と言うと、彼女は「たとえディスられても、スルーされるよりはマシです」、と肝の据わった事をおっしゃる。そこまで言うなら書きましょう、ということで、アウトランダーPHV試乗の段取りを進めていました。

 試乗の後は開発者のインタビューになります。事前に質問事項を提出して欲しい、ということで、燃費偽装に関する質問を交えた箇条書きのメモを提出すると、そこに“上の方”から待ったがかり、試乗の話も含めて全てオジャン、というのが本件の真相。要はクルマの事は書いて良いけれど、当社に不都合なことは書かんでよろしい、ということ。いやはやなんとも、であります。

 三菱自動車の女性には、「ようがす、書きましょう」と大見得を切ってしまっているので、現状では女性にウソを吐く大馬鹿野郎の状態でありますが、背景にはこのようなことがあったのです。(お名前を聞きませんでしたが、)会場でお声がけくださったお嬢さん。約束を果たせずにごめんなさい。何十年か経って、会社の体質がもし変わったら、またご連絡下さいね。

 さて今度こそ本当に本編のレクサスのチーフエンジニア、加藤武明さんのインタビュー続編です。

F:僕は先月トライアスロンの大会に出場するためサンディエゴに行ってきたのですが、向こうは本当にSUVが多いですよね。特にピックアップトラックが多い。ものすごく大きいのがゴロゴロ走っています。トヨタ製も走っていたな。セコイア……でしたっけ?

加藤さん(以下、加):セコイアはトヨタの大型SUVで、(同じプラットフォームを使う)タンドラがピックアップトラックです。

F:あとは日産のタイタンとか、フォードのFシリーズなんか、本当にたくさん走っている。

:多いですね。アメリカは南部に方に行くと特に多い。

F:あの手のクルマは、結構お値段も張りますよね。

:それはモデルによって大きく異なります。僕らのクルマでいうと、タコマという小ぶりのクルマは比較的、安価に抑えています。あ、小ぶりと言ったって、我々日本人の感覚からすると普通にデカいんですけれども(笑)。ただ、アメリカの景色には溶け込んじゃうんですよね。向こうで見ると、あまり大きく感じない。昔からありますしね。もう風景に馴染んでいるんですよ。ああいうトラックマーケットは「ライト・デューティー・トラック」と呼ばれているカテゴリーです。

F:ライト・デューティーですか。ヘビー・デューティーではないんですね。

:あんなに大きくても、彼らの中では、やっぱりライト扱いなんですね。ヘビーというと、もう本当に働く世界の、土砂をいっぱい積んで走るみたいなトラックになります。ライト・デューティー・トラックは、フレーム付きでタフなんだけれども、乗り心地はちょっとね、とか、ハンドリングはまあアレだよね、という世界だったんです。そこに初代のRXが、モノコックのボディで登場した。まあ悪く言えば、お洋服だけはSUV的で、明らかに乗用車とは違うカテゴリーで、でも何となく高級感もあるし……という形のクルマを初代のRXが実現した。これはある意味、我々のチャレンジだったわけです。