ターゲットを絞り、リソースを配置
──具体的にはどのような手順を踏むのですか。
野口氏:まずターゲットを絞ります。どの自動車メーカーのどの車種か。仕向け地はどこで、どのレベルの排気量やグレードの製品かを決めます。
ターゲットを絞り込んだら開発や調達、生産などの戦略を固めます。例えば、提案する部品に盛り込む技術を決め、一部部品の標準化でコストダウンを図って、内製する部品と外注する部品とを選択して生産の効率化を進めるといった戦略です。
次に、この戦略に合わせてリソースを配分する。ここが大きな壁になります。開発・製造プロセスの後工程にかかっていた負荷を、ある機種の部品で無理やり前倒しにすると、従来通りプロセスの後工程に負荷を掛けている機種の部品とバッティングします。フロントローディングに完璧に移行するまでの過渡期は、一時的にリソースが不足します。そこで、リソースを補充するか、補充できなければある機種の部品製造の受注を諦めなくてはなりません。