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──一筋縄にいかない理由がだいぶ見えてきました。それでも、全ての日系企業が人員削減で問題を抱えるわけではないと思います。人員削減でもめる企業ともめない企業とでは、どのような差があるのですか。

前川氏:コミュニケーションの差でしょう。トラブルを起こす多くの日系企業では、経営幹部、すなわち日本人駐在員が中国人従業員との間で良好なコミュニケーションをとれていません。中国語がよく分からないなどと言い訳する人もいますが、ペラペラでなくても構いません。それ以前に、コミュニケーションを図ろうと心掛けているでしょうか。言うまでもなく、経営幹部が従業員とコミュニケーションをとることは企業を運営する上で大切な要素であるのに、多くの中国拠点ではそれができていないのです。

 背景には、日本人駐在員をローテーションで決めてしまう日本企業の施策がありそうです。20年前であれば中国通の本社社員が駐在員になっていました。それが今では普通の社員が中国行きの辞令を受ける時代に変わっているのです。「なんで私が?!」と思いながら中国に渡っている人が多いのではないでしょうか。

 しかし、中国拠点は中国人従業員がいてくれるからこそ稼ぐことができるのです。その原点を思い出し、彼らとコミュニケーションをとるべきです。そのためにも、日本人駐在員は中国についてもう少し興味を持ち、勉強すべきでしょう。