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──コストパフォーマンスの最適値とは何でしょうか。もう少し詳しく教えてください。

國井氏:米国で生まれたシステム工学では、「信頼性(Q)とコスト(C)との一般的関係」を学びます。横軸に信頼性、縦軸にコストを取って、ここに製品のトータルコストをプロットすると、いわゆる「C-Q線図」とも言えるグラフを描くことができます。ここで、

トータルコスト=部品コスト+保守コスト

です。つまり、低コスト設計を行うということはトータルコストを下げるということ。そして、コストパフォーマンスの最適値というのは、トータルコストの最下点ということです。

 ここで多くの技術者が勘違いしているのは、トータルコストを下げるには、「とにかく部品のコストを下げればよい」と考えることです。ところが、実際は逆で、部品コストを下げるとトータルコストは上昇してしまいます。

 部品コストは、信頼性が0~90%辺りまで徐々に高まっていき、90%辺りを過ぎると急上昇する曲線を描きます。これがシステム工学の「C-Q線図」です。そのため、部品コストを下げていくと信頼性も落ちていく。すると、信頼性が下がる分、保守コストが高まってしまうのです。

 従って、トータルコストは信頼性が90%辺りで最も低くなる。これがコストパフォーマンスの最適値となります。

 実は、多くの日本企業の技術者がこのことを把握していません。品質とコストの間には最適なポイントがあるのに、信頼性の視点を忘れて部品コストを無理に下げすぎてしまう。私はこのことが最近の大規模リコール頻発の一因になっていると分析しています。また、これがコンサルタント・メニューの目玉となっています。