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経営共創基盤 ものづくり戦略カンパニー マネジャー 鈴木 一久 氏
経営共創基盤 ものづくり戦略カンパニー マネジャー 鈴木 一久 氏
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 特徴のある製品をどのように設計したらよいのだろうか?──。製品の差異化がうまくできずに困っている日本企業が増えている。競合企業が増え、高機能・多機能化が進む中で、「差異化となり得る機能を見つけられない」「設計リソースが足りない」という悩みを抱えている設計者は多い。こうした悩みに応えるべく、「技術者塾」では「『製品の差異化』はこれでうまくいく」〔2016年6月9日(木)〕の講座を開講する。講師の1人である、経営共創基盤ものづくり戦略カンパニーマネジャーの鈴木一久氏に、製品の差異化をどのように見つけ出すのか、また、それをどのように設計に落とし込むのかについて聞いた。(聞き手は近岡 裕)

──最近、製品の差異化に悩む日本企業が増えているように感じます。「競合が多くて自社製品が期待通りに売れない」「価格下落の圧力に対抗するのが大変」といった声を取材でよく聞くようになったからです。この点についてどのように見ていますか。

鈴木氏:競合企業と横並びのものづくりしかできていない日本企業が多いのではないか、というのが正直な感想です。もちろん、今でも力はあるのですが、「日本企業の製品は高品質で高機能」という顧客からの高評価は、かつてと比べると聞こえなくなっています。

 バブル経済崩壊後の「空白の20年」とも言われる時代を経て、日本が誇っていたものづくりの良さは徐々に失われていきました。その後、2000年頃からは日本の製造業は本格的なグローバル化時代に突入しました。ここで製品を世界に展開し、海外企業との間で激しい価格競争やシェア争いを繰り広げるようになりました。しかし、肝心の製品を見てみると、競合企業の製品と似たような機能を搭載した製品を市場に出し続けています。+αの付加価値をどう出そうかと考えてはいるものの、基本的には競合企業と横並びの製品から脱していない日本企業が多いと感じます。

 背景には、失敗が許されない状況があると思います。開発・設計分野のリソースに限りがあるからです。横並びの機能をそろえた時点で設計工数がいっぱいいっぱい、気がつくと市場投入の計画が目前に迫っている。とても付加価値を出すための余力はない。かといって、人員を大幅に増やす資金もない。結果、突出した機能や特徴を備えた製品を生み出せない、といった具合です。こうした状態が続き、日本企業の製品の良さが失われ、各企業の独自性も打ち出しにくくなっていると分析しています。

 興味深いのは、日本企業が生産面での効率化や自動化、省人化、そして製造品質を高めることに関しては粛々と進めていることです。得意なのでしょう。しかし、どのような機能を造り込んでいくかという設計面に関しては弱体化しているところが多いのではないでしょうか。