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──では、差異化につながる機能をどのように設計に落とし込むのでしょうか。

鈴木氏:それが技術者塾の講座(「『製品の差異化』はこれでうまくいく」)の内容です。ユーザーニーズ(顧客要求)を分析し、最終的にどのような製品に落とし込むのか。顧客要求から製品設計までをつなぐために必要な考え方や、手法の使い方をお教えします。具体的には、顧客要求分析→仕様への落とし込み→設計に落とし込むためのつなぐ化と進めていきます。

 もっとシンプルに言えば、顧客の声から真の付加価値、すなわち差異化となり得る機能を選び、設計に落とし込むまでの具体的な方法を学ぶことができます。

 

──ユーザーからニーズを引き出すことは製造業にとって重要なことですから、どの企業も行っているはずでは?

鈴木氏:確かに、ユーザーニーズ調査はどの企業も行っていることでしょう。しかし、先述の通り、現実には効率的に造るための派生製品が多い。ということは、ユーザーからニーズをきちんとつかみ切れていないのです。そこで、しっかりと設計に落とし込むための顧客要求分析が必要となります。

 顧客要求分析で大切なのは、顧客から集めた情報からしっかりと仕様に落とし込むことです。情報を集める際の定番は「VOC(顧客の声)調査」。アンケートやインタビューなどを介してユーザーから直に情報を聞き出す方法です。このVOC調査が間違っているわけではありません。「聞き方」がまずいのです。

 例えば、「次にどんなスマートフォンが欲しいですか?」といった聞き方をする。これでは、ユーザーからは「画面が大きいもの」「もっと軽いやつ」「画質がきれいなスマホ」など、漠然とした表現の要求ばかりが返ってきてしまいます。

 ご覧になって分かると思いますが、これらはかなり「定性的な要求」です。例えば「もっと軽いやつが欲しい」という顧客要求に対し、設計者は「具体的に何gか」を決めなければなりません。ここで、質量の仕様を100gに決めたとします。ところが、なぜ100gになったのかについては、根拠があいまいなのではないでしょうか?

 こうした場合に日本企業の多くが根拠にするのが、「競合他社との比較」です。要は、「競合企業は質量が105gのスマホを設計している。だから、当社はそれよりも5g軽い100gにしよう」といった具合です。しかも、なぜ5gだけ軽い目標にしたかと言えば、自社の持つ技術的な実力を踏まえた結果です。自社の技術力から都合良く解釈して、「100gでも十分軽いだろう」と判断してしまうのです。これではしっかりとした顧客要求分析とは言えません。