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──では、本質的な顧客要求を吸い上げた後、設計にはどのように落とし込むのですか?

鈴木氏:私たちが開発した新しい要求分析手法である「ニーズとものをつなぐQFD手法」を使います。品質機能展開として知られているQFDをベースに、要求と仕様とをひも(関連)づけるための手法です。

 一般的に作成されるQFDは、要求品質と品質特性の関係をひもづけています。新しい手法ではここに顧客要求まで組み込んでいきます。これより、製品仕様を決定付ける根拠となる顧客要求までがつながるようになります。これを使いこなすにはコツが必要で、その方法を本講座ではお教えします。

 従来のQFDにおいて、製品仕様と製品構成に置き換えてひもづけることで、どのような影響があるかを把握するのも1つの方法です。そのために、製品仕様と製品構成を相関づける表(マトリックス)を作成します。こうすることで、例えば、ある部品を変更するときに、どの機能に影響が及ぶかを把握することができます。

 新しい手法では、顧客要求と製品仕様、製品構成の関係をマトリックスで表現します。このマトリックスをうまく使い、顧客要求から製品仕様、製品仕様から製品構成という一連の関係を一気通貫で「見える化」するのです。つまり、顧客要求がどのような製品仕様につながり、さらにどのような製品構成で実現すればよいかということを可視化できるのです。これにより、本質的な顧客要求をしっかりと設計に落とし込むことができるというわけです。

 こうすれば、本質的な顧客要求と自社が持つ製品構成(自社の保有技術)の結びつきが分かるため、「その保有技術が差異化ポイントである」ことが分かります。それでも差異化ポイントが定められない場合は、付加価値評価のステップを追加します。ここまでくれば後は、この保有技術を高める部分に設計リソースを集中させればいい。逆に、本質的な顧客要求とは無関係な部分は捨てるということが根拠を持って判断できます。つまり、新しい手法を使えば、冒頭の悩み、すなわち、「開発・設計分野のリソースに限りがあり、とても付加価値を出すための余力はない」といった状態を回避できるのです。