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──公差設計と幾何公差を習得するメリットは、リコールや市場クレームを減らせるということですね。

栗山氏:その通りです。しかし、それだけではありません。コストを掛けずにそれを実現できるという利点があります。つまり、安くて良いものを造れるということです。

──公差設計に関するトラブルについて過去の記事を調べてみました。すると、日本の精密機器メーカーの事例が見つかりました。その企業は数百億円の損失を計上。同社の社長は、その原因が「公差設計のミス」であると語っていました。顧客企業に提供したモジュール部品のばらつきを制御できず、そのモジュール部品を本体側に組み付けることができなかったとのこと。結果、同社は全てのモジュール部品の補修を余儀なくされ、巨額の損失を生んでしまったと記載されていました。

栗山氏:確かに、そのような記事がありましたね。しかし、ミスが公差設計にあることを正直に明かす企業は極めて珍しいと思います。同様のミスは多くの企業で起きているのです。このメーカーは日本企業の中でも公差設計に長けているはずの企業でした。いつの間にか、ものづくりを知らない、すなわち、公差設計に対応できない設計者が増えていたのです。