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──こうした事故を回避する技術的な方法としては、どのようなものが考えられるでしょうか。

加藤氏:次のような方法が考えられます。

[1]逆光のような例外にも対応する

 Tesla Motors社の運転支援システムは、イスラエルMobileye社が提供しています。このMobileye社の製品を改良し、瞬間的な逆光に対しても短時間で対応できる機能を強化する(ダイナミックレンジ機能を強化する)のです。また、人工知能(AI)的な話になりますが、逆光になっても直前のフレーム画像から危険を予測できるようにシステムを改良するアプローチもあります。ただし、非常に難しい課題だと思います。

[2]LIDARのようなアクティブセンサーを利用する

 今回のTesla Motors社の車両にはカメラとミリ波レーダーが搭載されていたと報告されています。カメラは光を受信して機能するパッシブ系のセンサーのため、ソフトウエアへの依存度が高く、誤認識は不可避です。また、2次元情報のため、距離情報の計算も難しい。ミリ波レーダーは距離情報が分かりますが、精度に課題があることと、今回、ミリ波レーダーが働いていたのか定かではありません。昨今、正確に距離情報が取得できるLIDAR(Light Detection and Ranging)方式のアクティブセンサーが注目されています。LIDARを使えば、少なくとも何かの物体がそこにあることを高精度にセンシングできますので、LIDARが搭載されていれば今回の事故は防げた可能性もあります。

[3]異常状態を検知して自動運転モードを中止する、あるいは減速する

 これが最も大切なことだと思います。コンピューターも完璧ではないので、今回のケースに限らず必ずミスは起きます。その時は何らかの異常状態(今回は逆光によって白線や車両が見えなくなった)になっているわけです。従って、異常状態に陥ったことを検知し、その場でドライバーに知らせる、あるいはスピードを落とすといった「エラー対策」が今後は必要になってくると思います。

[4]正しい使い方をする

 メーカーや政府が自動運転の黎明期における正しい使い方を促し、ユーザーもその使い方を理解することも重要です。自動運転の実用化には社会的な受容が不可欠です。革新的なテクノロジーだからこそ、誤った使い方をすればリスクが存在します。