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品質をつくりこむとは何か?

──技術者塾で開催する「品質完璧マスターシリーズ」はどのような講座群なのでしょうか。

皆川氏:品質完璧マスターシリーズは、開発設計から量産、さらに市場対応までを含めて品質をつくりこむ力、すなわち真の「品質力」を身に付ける講座群です。「品質の総合力を習得する」と言い換えてもよいでしょう。高品質を維持するために大切となる品質手法を全てそろえることはもちろん、「本質的な考え方」を習得することに重点を置きます。個々の品質手法を表面的に知るだけでは、応用力が身に付かないからです。それぞれの講座の本質的な考え方や意味を学ぶことはもちろん、全体最適の視点を大切にし、各品質手法が全体の中でどのような位置づけにあって、優先順位はどうなっているかといったことも解説します。

 講義だけではなく、演習を充実させていることも特徴の1つです。講義で学び、事例紹介などで理解を深めつつ、さらに演習を通してはじめて本質的な考え方と実践力が身に付くと考えているからです。

 そして、この品質完璧マスターシリーズでは、「品質をつくりこむとは何か?」といった根本的な説明からスタートします。あなたなら、この問いにどう答えますか?

──とにかく不具合を出さないように考えられる限りの対策を施すこと、でしょうか。

皆川氏:あなたもそうですね。多くの人がこの問いに、「不具合を発生させないこと」と答えます。しかし、品質をつくりこむためには、もう1つ「流出させないこと」も大切です。このことを忘れてしまっている人が多い。不具合を発生させないように極力努力する。それでも、完全にゼロにすることは難しい。従って、不具合を流出させない仕組みも構築する必要があるのです。

 逆に、不具合を流出させないことばかりを考え、例えばチェックシートの強化だけに取り組むような企業もあります。しかし、不具合を発生させない手法がなければ、当然ながら不具合の発生率は一向に減りません。つまり、不具合の発生と不具合の流出の両方に網を掛けることが、品質をつくりこむということなのです。

 こうすれば品質は飛躍的に向上します。例えば、不具合の発生率が1/1000であり、不具合の流出率が1/1000であるとすれば、両方に網を掛けることで、市場での不具合率を1/1000×1/1000=1/100万にまで小さくすることができます。

 品質をつくりこむためには、仕組みに落とし込むことが大切です。品質トラブルが起きた時、原因を突き止めて対策を施す努力はどの企業もしていると思います。しかし、品質をつくりこむための仕組みが構築されていないと、いわゆる「対症療法」に留まってしまいます。すると、また別の品質トラブルを起こしてしまう危険性があるのです。

 例えば、製品を生産する前に「量産移行会議」を開催していない企業があります。この会議を開かずに、本当にその設計で量産してよいのかどうかを正しく判断することができるのでしょうか。それで高品質の製品を造れているとしたら、その方が不思議なくらいです。