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品質をつくりこむための要点

──品質をつくりこむためのポイントがあれば、教えてください。

皆川氏:品質をつくりこむための要点は3つあります。[1]「見える化」、[2]「未然防止」、[3]「みんなでやる」こと(全員参加)、です。

 [1]の「見える化」は、「統計的品質管理(SQC)」や「QC七つ道具」などを使って品質問題を定量化します。その上で、みんなで議論してどこに問題があるかを検討し、気付くのです。

 [2]の「未然防止」では、DRBFMや「QA(Quality Assurance)ネットワーク」、「QCストーリー」、QFDなどの手法を使い、まだ起きていない問題の発生を予測して、それが起きないようにします。「想定外」による品質問題を起こしてはいけません。それを防ぐには、想定外のことが起きたとしても問題が起きないようにする必要があります。代表的なものに「パラメーター設計」があります。例えば、環境温度が想定外の高温になったとしても、製品の機能や特性を急落させず、緩やかに低下していくようにするといった工夫を施すことが大切です。

 [3]の「みんなでやる」こと(全員参加)は、「これは製造問題だから、我々は知らない」「いや設計問題だから、こっちも分からない」といった責任逃れをやめ、関係者全員で責任をもって品質をつくりこんでいく、ということです。トヨタ自動車には「大部屋」活動があります。これにより、早い段階から製造部門まで含めて一緒に開発設計を進めていきます。設計部門と製造部門ではそれぞれの考え方や立場あり、議論する機会がなければ個別最適化はできるかもしれませんが、全体最適化することはできません。

 デンソーには「5者協議」と呼ぶ制度があります。設計部門、製造部門、生産技術部門、品質保証部門、検査部門の全部門から担当者が集まって、DRや設計移行会議、量産移行会議を行うのです。仮に設計部門だけで行うと、設計者としての都合を押し通す恐れが出てきてしまいます。設計部門がこれらの会議を主催することも禁じられており、主催するのは品質保証部門と決められています。これも、設計部門の都合が悪い場合にこれらの会議を開催しないという心配が考えられるからです。

──品質完璧マスターシリーズの講座群──
(1)5月17日、「品質トラブルを未然に防ぐ切り札 トヨタが推奨する『DRBFM』」
(2)6月14日、「トヨタが活用する不具合の根本的対策ツール『なぜなぜ分析』」
(3)7月12日、「トヨタの課題解決力の秘密『QCストーリー』」
(4)8月23日、「トヨタの製品開発力の源泉『品質機能展開(QFD)』」
(5)9月20日、「最適品質を最高効率で得るトヨタのツール『多変量解析』」
(6)10月18日、「トヨタの不良品流出防止法『QAネットワーク』」