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──品質機能展開を使わなくても製品が出来るなら、わざわざ使用しなくてもよいと考える技術者がいても不思議ではありませんよね。品質機能展開を使わないと、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

皆川氏:品質機能展開を使わないと、本当に必要な機能に抜けが生じてしまいます。例えば、車載システムであるフューエルポンプ(燃料ポンプ)でいえば、漠然と「燃料を送ることができればよいだろう」と思って設計すると、脈動(圧力変化)の大きなフューエルポンプが出来てしまう。これでは、騒音も振動も大きく商品として成立しない。

 さすがに基本機能については落とすことは少ないのですが、同じく大切な他の機能が抜ける場合が結構あるのです。ところが、お客様からすると基本機能は「当たり前の機能」であり、他の機能に価値を求める人は意外に多い。結果、製品が売れなくなってしまうというわけです。

 もう少し詳しく説明しましょう。一言で機能と言っても、5つの種類があります。[1]基本機能、[2]付加機能、[3]本体機能、[4]弊害防止機能、[5]自己防御機能、です。品質機能展開を学ばないと、機能にこうした種類があることが分からないし、考える術がない。すると、製品を成立させる上で必要な機能の抜けが多くなる。[1]の基本機能は維持できても、[2]の付加機能以下が抜けてしまう可能性が高まるのです。

 燃料を供給することはできる。しかし、体積が大きすぎて車体側に取り付けられないフューエルポンプや、強度が足りず工場で搬送中に壊れてしまうフューエルポンプを想像してみてください。そんなばかなと思うかもしれませんが、こうしたことは結構あるのです。