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──品質機能展開の進め方を教えてください。

皆川氏:まず、機能に関する表「要求品質展開表」を作成します。開発する製品においてどのような機能が必要かを洗い出します。この際に、[1]基本機能、[2]付加機能、[3]本体機能、[4]弊害防止機能、[5]自己防御機能の5種類の機能について考え出します。チームを組み、「親和図法」を使い、付箋紙を利用して機能のアイデアを出していきます。

 続いて、似たアイデアを集めて5種類の各機能について上位下位の位置づけを決めます。例えば、ペンであれば「書く」という機能が上位機能で、「なめらかに書く」という機能が下位機能となります。こうして上位機能を決めたら、抜けがないように下位機能を考え出していきます。下位機能として考えるのは3段階、すなわち1次下位機能、2次下位機能、3次下位機能です。大体、3次下位機能まで考えれば十分です。

 次に、3次下位機能に対して「重要度」を決定します。5点満点で点数を付けていく。自社で重点的に開発したいものについて高い点数を付けます。

 続いて、特性に関する表である「品質特性展開表」を作ります。3次下位機能に着目し、それを表現するための特性を、同じく親和図法を使って洗い出していきます。例えば、「見やすい」という3次下位機能があるとすれば、「濃度」や「色調」、「太さ細さのメリハリ」といったものが特性として考えられます。こうした特性についても3段階、すなわち1次特性、2次特性、3次特性まで考え出していきます。ここでは、固有技術の水準によって考え出される特性の範囲が変わってきます。やはり、いろいろな立場の人が入った方がその幅の広がりが出ます。

 こうして要求品質展開表と品質特性展開表を用意できたら「品質表」を作成します。要求品質展開を横(行)に、品質特性展開表を縦(列)にマトリックス状にした表です。品質表が出来たら、それぞれの機能と特性について関係の強さ「対応度」を1~3点で点数化していきます。

 続いて、先に点数付けした(品質特性展開表の3次下位機能の)重要度とこの対応度のそれぞれを掛け合わせて(重要度×対応度)点数付けします。そして、それぞれの点数を足し合わせて「品質特性重要度」を計算します。

 こうして、品質特性重要度が高い「特性(列)」を次の製品の「重点開発特性値」とするのです。例えば、世界一を狙っているのであれば、その特性が世界一となるように目標値を設定します。目標値を決めるときにには、競合他社状況と自社の現状の両方を調べておかなければならなりません。これらも点数付けしておき、比較して目標値を設定する。そして、この目標値に基づいて具体的に設計を行っていくのです。

 と、言葉で説明してみましたが、これだけでは分かりにくいでしょうね。そのため、技術者塾の講座では演習を充実させているわけです。